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- ドクターズインタビュー
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interview 01
医師を志した理由を教えてください
幼少期は病弱で、自分が入院した経験もありました。そのために医療が身近であったことが一番大きな理由です。昆虫が好きで暇さえあれば虫を取っていた経験もありました。この頃から生き物への興味もあり、医師を目指すきっかけになりました。
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interview 02
皮膚科を選択されたのはなぜですか?
医学部に入学すると全ての診療科について勉強します。
皮膚科は肉眼や顕微鏡で患部を「自分の目で見て判断する」というプロセスが欠かせません。この「目利き」力の奥深さに興味が湧いて皮膚科医になろうと思いました。
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interview 03
どのように「目利き」力を
磨かれたのですか?
京都府立医科大学を卒業後、大学でアレルギーを中心にした皮膚炎を学ばせていただきました。当時の教授がこの分野の専門家だったために、非常に詳しく教えていただけたのです。「目利き」力は学生時代に想像していたよりもはるかに奥が深く、教授をはじめとした緒先輩方のスキルに圧倒されたことをよく覚えています。また皮膚科医には「目利き」力だけでなく、どのような検査をするか、どの薬剤を使用するかなど豊富な知識や適切な判断力、そして手術や処置などの確かな技術力も欠かすことができません。この中でも技術面は講師の先生に丁寧に指導していただきました。
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interview 04
京都市立病院時代のことを
聞かせてください
京都市立病院に赴任した当時の部長が皮膚の炎症性疾患、感染症、そして腫瘍を得意にされていましたので、これらについては徹底的に鍛えられました。具体的には炎症を起こす皮膚の病気は、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、乾癬、ざ瘡(ニキビ)など様々で実地に症例を経験し、幅広い知識やスキルを鍛えられました。その中でも特にアトピー性皮膚炎については、ステロイド治療に対する恐怖心など必ずしも正確でない情報によって悩む患者さんが少なくありません。患者さんの思いを汲み取り、優しく寄り添うことの重要性を痛感する日々でした。
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皮膚科が扱う感染症にはウイルスが原因となる帯状疱疹や単純ヘルペス、細菌が原因となる蜂窩織炎(ほうかしきえん)や真菌(カビ)が原因となる白癬(水虫)などがあります。この中でも帯状疱疹は発症早期に治療すると後遺症を減らすことができる病気で、まだ病気になっていない未病の方にも病気を知っていただくことの重要性を実感させられました。
勤務医時代に年間手術経験200〜300件、開業してからも粉瘤(ふんりゅう)やほくろの手術を積み重ねていますが、手術時間の短縮やより良い治療方法の模索など常に進化し続ける大切さがあると考えて実践しています。
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interview 05
開業されたきっかけを教えてください
以前に一度開業のお誘いをいただいたのですが、その時はお断りさせていただきました。先ほどお話した皮膚の炎症性疾患、感染症、腫瘍について、さらに経験を積むと同時に後輩を教育する必要があると感じていたからです。ところが十数年後に現在当院が入っているビルが建つ際、同じ先輩医師に再び誘っていただいたのです。この時はご縁を感じて開業いたしました。やや年齢を重ねてからの開業ではありましたが、自分が納得いくまで経験を積むことができたので良かったと考えています。
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interview 06
先生の皮膚科医としてのこだわりはありますか?
医学の進歩は目覚ましいものがあり、皮膚科領域も例外ではありません。アトピー性皮膚炎や乾癬などが代表的ですが、新しい治療薬が目覚ましい効果を上げています。新しい治療薬はもちろん、病態の解明や検査法など常に最新の情報をアップデートするように心がけています。私のこだわりは、アップデートした内容を患者さんに、できるだけわかりやすく説明し納得していただくように努めることです。患者さんにしっかりと理解していただくためには、私自身がその内容を十二分に把握しておかなければなりません。したがって、患者さんの理解が進んだときはとても達成感があります。また病気や治療法に不安を持たれる患者さんも珍しくありません。先ほどお話したような、アトピー性皮膚炎に対するステロイド治療が代表的です。このような患者さんの不安に寄り添い、よく納得していただいた上で治療を行う医師でありたいと思っています。
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interview 07
先生にとってのやりがいは
何でしょうか?
1番のやりがいは「患者さんの病状が良くなり、喜んでいただけること」です。これ以上のやりがいはありません。特に皮膚科は治療効果がはっきりと出る領域なので、取り組みがいがあります。病気が改善すると、来院される度に患者さんの表情がどんどん明るくなっていきますが、このような時には、本当にこの仕事を選んで良かったと思います。 その他には患者さんがご自身の病気を理解していただいた時や、治療方針に納得していただけた時も嬉しいです。皮膚科に限ったことではありませんが、すぐには治らず長い間が時間をかけて向き合う必要がある病気が存在します。そのような場合には、患者さん自身が病気や治療方針をしっかりと理解していただくことが欠かせません。なぜこの薬を使うのか、どうして病気が良くなるのか。よくわからなければ、遠慮することなくご質問いただければと思います。
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interview 08
最後にメッセージをお願いします
医師は処方した薬が確実に使用されている前提で、患者さんの効果を見ています。つまり薬の効力の有無です。これは皮膚科に限らずどの診療科も同じでしょう。ところが残念ながら処方したお薬をしっかりと使うことができていない患者さんが少なくありません。繰り返しになりますが、当院では治療方針を丁寧に説明するように心がけています。どうしてこの薬を塗るのか、なぜその薬を飲むのか、そしてどうやって病気が良くなるのか。一つ一つ詳しく説明しますので、患者さんもしっかりと安心して治療に取り組んでいただきたいと思います。