帯状疱疹後神経痛の改善と予防

Copyright © 小西皮膚科クリニック All Rights Reserved.

  • HOME>
  • 帯状疱疹後神経痛の改善と予防

帯状疱疹後神経痛の改善と予防

帯状疱疹後神経痛の改善と予防

帯状疱疹後神経痛を起こした知覚神経は変性しており、完全に正常な状態に回復させることは現在の医療ではきわめて難しいと言わざるを得ません。現実的には痛みを和らげることが治療の中心になります。

 

痛みを軽減することはとても重要です。その効果は患者さんの苦痛を減らすことで快適な毎日を取り戻すだけではありません。変性した知覚神経から伝わる誤った痛みの電気興奮に慣れてしまっている脳を回復させる効果も無視できないのです。そのために当院では患者さんに痛みを我慢させることなく、積極的に痛みを減らすように努めて診療しています。

 

 

帯状疱疹後神経痛の治療法

帯状疱疹後神経痛の治療法

帯状疱疹後神経痛にはさまざまな治療薬や治療法があり、患者さんの状態に応じて使い分けたり組み合わせたりします。以下に代表的なものを記しますが、一部は帯状疱疹後神経痛に対して保険適応がないものや当院では採用していないものを含んでいることにご注意ください。またご自身の具体的な治療方針については担当医師にご相談ください。

 

まず内服薬です。頭痛や歯痛で多用されるアセトアミノフェンやNSAIDs(非ステロイド抗炎症薬)などの鎮痛薬は、帯状疱疹後神経痛でもしばしば使用します。ただしこれらの鎮痛薬で痛みが全く軽減しないこともまれではありません。その場合には、プレガバリンやミロガバリンベシルなどの神経障害性疼痛治療薬と呼ばれる薬やある種の麻薬(リン酸コデイン)や抗うつ薬(アミトリプチン)、抗けいれん薬(テグレトール)、漢方薬などを駆使します。

 

ただしこれらの薬剤の効果は、患者さんによって大きく異なることに注意してください。また外用薬を用いることもあり、カプサイシン、アスピリン、硝酸イソソルビドなどを使用します。ほかには遠赤外線や神経ブロックを使う方法です。薬剤ではなく傷ついた神経に処置を加えることで痛みが改善することもあります。

 

しかしながらこれらの薬剤や処置を駆使して痛みが改善はするものの、完全には消えない場合も少なくありません。そのため帯状疱疹後神経痛は予防することが何よりも大切です。

 

帯状疱疹後神経痛になりやすいのは高齢者、帯状疱疹の治療開始時に重症の方、そして治療開始時に痛みが強い方です。つまり若い方でも治療開始が遅れて重症化すると、帯状疱疹後神経痛が出やすくなると言えます。帯状疱疹後神経痛は誰にでも起こりうる病気であるとご理解ください。

 

幸いなことに、わが国でも2016年から水痘ワクチンを50歳以上の方に帯状疱疹ワクチンとして使用することが認可されました。水痘と帯状疱疹を起こすウイルスは全く同じものなので、効果が期待できるのです。

 

帯状疱疹ワクチンで帯状疱疹を100%予防できるわけではありません。しかし重症化を防ぐことは十分に可能で、重症の帯状疱疹を予防することができれば帯状疱疹後神経痛になるリスクが減り、帯状疱疹後神経痛を生じた場合にも軽くてすみます。実際にワクチンの効果は先行して認可されていた米国で実証されました。ぜひ皆さんもワクチンを有効に活用してください。

 

もうひとつ帯状疱疹後神経痛の予防で大切ことは、帯状疱疹を発症してからできるだけ早期に抗ウイルス薬での治療を始めることです。抗ウイルス薬の効果が出るまでは、帯状疱疹・水痘ウイルスはどんどん増殖し重症化します。帯状疱疹を虫さされや、かぶれと間違えたために受診、そして治療開始が遅れる患者さんが珍しくありません。安易に自己判断せずに受診してください。

075-311-7007

お電話

Web予約

Web予約