帯状疱疹後神経痛の原因

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帯状疱疹後神経痛の原因

帯状疱疹後神経痛の原因

帯状疱疹は帯状疱疹・水痘ウイルスが原因で起こる病気です。つまり帯状疱疹と水痘の原因ウイルスはまったく同じものであることをご理解ください。

 

水痘の浸透率は約100%、言い換えれば私たちはほぼ全員が幼少時に水痘にかかります。水痘で認める赤い発疹や水疱の内部では帯状疱疹・水痘ウイルスが増殖していますが、増殖したウイルスは皮膚表面につながっている神経にうつり、水痘が治った後も神経の中の後根神経節と呼ばれる部位にじっと潜伏しています。つまり私たちは症状が出なかった場合でも、ほぼ皆さんが潜伏した帯状疱疹・水痘ウイルスを抱えながら生活していると考えると良いでしょう。

 

 

ウイルスが活発になる理由

ウイルスが活発になる理由

通常は潜伏した帯状疱疹・水痘ウイルスが悪さをすることはありません。ところが疲労の蓄積や病気などで身体の抵抗力が落ちると、神経節に潜んでいたウイルスが再び暴れだし(増殖・活性化)、ウイルスは初めに水痘にかかった時とは反対方向、すなわち皮膚表面に向かって知覚神経を移動して皮膚表面で帯状疱疹を起こします。

 

その一方で増殖したウイルスが通過した知覚神経はダメージを受けます(変性)。ダメージの程度にもよりますが、変性した知覚神経は完全には回復しないことが少なくありません。特に高齢者や重症の帯状疱疹であった場合には、知覚神経が傷んだままになることがまれではないのです。

 

知覚神経は、痛みやかゆみ(痛覚)、熱さや冷たさ(温覚)を脳に電気興奮として伝達する役目をしていますが、帯状疱疹・水痘ウイルスで傷ついた知覚神経には、異常な電気興奮が起こります。その結果、実際には皮膚に痛みや熱さがないにもかかわらず、まるで痛みや熱さが存在するかのような電気興奮を脳に送ってしまうのです。

 

電気興奮を受け取った脳は、本物の痛み(本当に原因が実在する痛み)なのか神経の異常興奮による錯覚なのかを区別することができません。そのため、錯覚であっても原因がある場合と同じように悩まされます。

 

このような知覚神経の異常興奮が原因で起こる痛みは、神経痛と呼ばれます。三叉神経痛(さんさしんけいつう)や肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)などが代表的です。帯状疱疹後神経痛も神経痛の1種で、実際に三叉神経痛や肋間神経痛を起こすことも少なくありません。

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